2024年後半からインフルエンザと共に再度流行りだしたマイコプラズマ。
症状、対策について解説します。
目次
マイコプラズマとは?
マイコプラズマとは、細菌の一種で、細胞壁を持たない特徴があります。このため、一部の抗生物質が効かないことがあり、特定の治療が必要となります。ヒトに感染するマイコプラズマの中で、最も一般的なのはマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)で、これは呼吸器感染症を引き起こします。
昔のマイコプラズマ感染症の症状
- 咳(乾いた咳):
- 長期間続く乾いた咳が特徴的でした。
- 夜間に悪化することが多く、持続的な咳が患者を悩ませました。
- 発熱:
- 軽度から中程度の発熱(37.5℃〜39℃)が多く見られました。
- 咽頭痛:
- 喉の痛みや違和感が主な初期症状として報告されました。
- 全身のだるさ:
- 倦怠感や軽い筋肉痛が伴うこともありました。
- 軽度の頭痛:
- 呼吸器症状に付随して軽い頭痛が起きることがありました。
昔の症状の特徴
マイコプラズマ感染症は、特に子どもや若年層に多く見られ、感染のピークは秋から冬にかけてでした。症状は比較的軽度であり、自然に回復するケースもありました。
最近のマイコプラズマ感染症の症状
- 頑固な咳:
- 昔と同様に乾いた咳が主症状ですが、
- 咳の期間がさらに長く、数週間から1か月以上続くことが増えています。
- 高熱:
- 38℃〜40℃に達する高熱が見られるケースが増えています。
- 特に小児では熱性けいれんのリスクもあるため注意が必要です。
- 肺炎の重症化:
- マイコプラズマ感染が進行すると、肺炎を引き起こすケースが増加しています。
- 重症化した肺炎では、呼吸困難や胸痛が現れることがあります。
- 多様な症状:
- 皮膚症状(発疹やかゆみ)や、
- 関節痛、耳の痛みなど、呼吸器以外の症状を訴える患者も増えています。
- 免疫反応による症状:
- マイコプラズマ感染が免疫システムを刺激し、体内で炎症を引き起こすことがあります。
- 血液検査で異常が見られることもあります。
最近の症状の特徴
現在では、マイコプラズマ感染症の発症が全年齢層に広がっており、症状も多様化しています。また、抗生物質耐性を持つ菌株が増加しているため、治療が難航するケースも報告されています。
マイコプラズマ感染症の診断と治療
診断方法
マイコプラズマ感染症の診断は、以下の方法で行われます:
- 血液検査
- マイコプラズマ抗体の有無を確認します。
- 胸部レントゲン
- 肺炎の有無を調べるために行われます。
- PCR検査
- マイコプラズマ遺伝子を検出する高感度な検査です。
治療方法
現在の治療では、次の薬剤が用いられることが一般的です:
- マクロライド系抗生物質
- 小児や妊婦に対してはクラリスロマイシンやアジスロマイシンが使用されます。
- テトラサイクリン系抗生物質
- 成人患者にはドキシサイクリンなどが有効です。
- キノロン系抗生物質
- 耐性菌が疑われる場合に使用されます。
予防と注意点
感染予防のポイント
- 手洗い・うがいを徹底する
- ウイルスや細菌感染の基本的な予防策です。
- マスクの着用
- 特に咳やくしゃみが出る場合は、周囲への感染拡大を防ぐために重要です。
- 定期的な換気
- 室内の空気を清潔に保つことが大切です。季節の変わり目は急な温度変化にも注意です。
- 室内の空気を清潔に保つことが大切です。季節の変わり目は急な温度変化にも注意です。
注意点
- 咳が長期間続く場合や、発熱が治まらない場合は早めに医療機関を受診しましょう。
- 抗生物質を自己判断で中断せず、医師の指示に従うことが重要です。
まとめ
マイコプラズマ感染症は、過去から現在にかけて症状や発症パターンに変化が見られます。特に近年では症状が重症化するケースや、抗生物質耐性菌の増加が課題となっています。正しい知識と早期診断・治療を心がけることで、症状の悪化を防ぐことができます。健康管理を徹底し、感染予防に努めましょう。