イヤイヤ期とは、幼児が自己主張を強める時期のことを指します。
日本語では「イヤイヤ期」と呼ばれますが、英語では「terrible twos(2歳の恐ろしい時期)」や「tantrum stage(癇癪期)」とも言われます。
通常、1歳半から3歳前後に見られ、子どもが「イヤ!」と言って反抗的な態度を取ることが特徴です。
この時期は、親にとっても大変な時期であり、しつけや子育ての難しさを感じることが多いですが、発達段階としては自然なものです。
イヤイヤ期の特徴
・自己主張の強化: 子どもは「自分」という存在を意識し始め、自分の意見や気持ちを表現しようとします。
「イヤ!」や「ダメ!」などの言葉が頻繁に出て、親の指示に従わないことが増えます。
・癇癪(かんしゃく): 望まないことが起きると、泣いたり、叫んだり、床に転がったりして感情を爆発させることがあります。小さなトラブルが大きな感情の爆発に繋がることがあり、親としては驚くことも多いです。
自立心の芽生え: 子どもは自分でやりたい、できるようになりたいという気持ちが強くなります。
しかし、まだ技術的に難しいことも多く、上手くできないときにフラストレーションを感じることがあります。
イヤイヤ期の原因
イヤイヤ期の根本的な原因は、子どもの成長過程における心理的な発達にあります。以下の要素が絡んでいます:
- 自我の芽生え: 子どもが自分という存在を認識し始めることで、他人(親)と自分との違いを意識し、自己主張をするようになります。自分の意見を持ち、自分で物事を決めたがるのはこの時期の特徴です。
- 言語能力の発達: 言葉を覚えることで、思っていることを伝えたいという欲求が強くなります。しかし、まだうまく表現できないため、フラストレーションが溜まりやすく、イヤイヤ期の行動に繋がります。
- 感情のコントロールの難しさ: 幼児期は感情をうまくコントロールする力が未発達です。嬉しいこと、悲しいこと、怒りなど、強い感情が一度に押し寄せることが多く、それをどう表現していいかが分からず、イヤイヤ期の癇癪が起こります。
イヤイヤ期の対処法
イヤイヤ期にどのように対応するかは、子どもの心の安定に大きく関わります。いくつかの対応方法を紹介します。
- 冷静に対応する: 子どもが怒ったり泣いたりしても、親が過剰に反応しないように心掛けましょう。冷静に対応することで、子どもは次第に自分の感情をコントロールする方法を学びます。
- 選択肢を与える: 子どもは「イヤ!」と言いたくなる時期です。強制的に何かをさせるのではなく、いくつかの選択肢を与えることで、自分で決めることができるという感覚を持たせることができます。
- 一貫性を保つ: 親の言動に一貫性がないと、子どもは混乱し、さらに反発することがあります。ルールやしつけは一貫して守り、過度な甘やかしや過剰な厳しさを避けることが重要です。
- 感情の理解を示す: 子どもが怒っている理由を理解し、「怒っているんだね」「悲しい気持ちなんだね」と感情を言葉で表現することで、子どもも自分の感情を理解しやすくなります。
- 時間を与える: 時には子どもが落ち着くまで待つことも大切です。急いで解決しようとせず、少し時間を置くことで、子ども自身が冷静になれることもあります。
親ができる自己ケア
イヤイヤ期は親にとってもストレスフルな時期です。自分の感情をうまくコントロールすることも大切です。親自身がリラックスできる時間を持つこと、サポートを求めることは非常に重要です。
- サポートを求める: 周りの家族や友人に助けをお願いしたり、育児サポートサービスを利用することで、親の負担を軽減できます。
- 自分の気持ちを大切にする: 子どものイヤイヤ期の対応に追われて、自分の感情を後回しにしがちですが、自分の気持ちに気を配ることも大切です。リラックスできる時間や趣味を持つことで、気持ちの余裕が生まれます。
イヤイヤ期はあくまで一時的なものであり、成長することで次第に落ち着いていきます。年齢とともに感情のコントロール能力が高まり、自己主張の方法も変わっていきます。過ぎてしまえば、イヤイヤ期があったことすら懐かしく感じることもあるでしょう。
ためになるイヤイヤ期についての本
まとめ
イヤイヤ期は、子どもが成長する過程で避けて通れない重要な段階です。この時期は親にとっても大変ですが、冷静で一貫した対応を心掛けることで、子どもと共に成長し、絆を深めることができます。また、親自身も無理せず、サポートを受けることで心の余裕を保ちながら、子育てを楽しんでいくことが大切です。