集中力が続かず、やる気になれない、勉強しているのに成果が出ないと感じることはありませんか?そんな悩みを解決するために、科学的に基づいた勉強方法をご紹介します。
doodling勉強法(doodling study)とは
「doodling(ドゥードリング)」とは、意識的に意味のある絵や絵画を描くのではなく、無意識的または気まぐれに描く簡単な線画や絵を指します。要は“らくがき”です。
doodling勉強法は覚えたい文を読みながら片方で適当な“らくがき”をしながら覚える勉強法となります。
落書きが脳に与える効果にはいくつかの研究結果があります。以下は、落書きが脳に及ぼす可能性のある影響や効果についてのいくつかの観点です。
1. ストレス軽減
落書きはリラックス効果をもたらすことがあります。特に、無意識的に手を動かすことで、精神的な緊張を和らげ、ストレスを軽減する助けになるとされています。これは、落書きが自分自身を表現する方法として働くため、感情的な放出や心の整理を促進するからです。
2. 創造力の促進
落書きは創造的思考を促す手段とされます。無意識的に描くことが新しいアイデアや解決策を生み出すきっかけになることがあります。脳はパターン認識や問題解決の過程で柔軟に働くため、落書きを通じて新しい視点が得られることがあります。
3. 注意力の改善
一部の研究では、落書きが注意力を高める可能性があるとされています。特に、会議や電話などの退屈な状況で落書きが行われると、脳がその退屈を打破し、注意を集中させる手助けとなることがあります。この場合、注意散漫を防ぐための役割を果たすことがあります。
4. 記憶力向上
記憶力を高める効果も報告されています。落書きは、情報を視覚的に整理する手段として機能することがあり、特に抽象的な概念を思い出す際に役立つことがあります。また、落書きが脳の異なる部分を活性化させることが記憶力の向上に繋がることがあります。
5. 感情の処理
落書きは感情を表現する一つの方法としても効果的です。怒りや不安、悲しみなどの感情を視覚的に表現することは、感情の処理や解放に繋がることがあります。これにより、精神的な健康を保つ手助けとなる場合があります。
6. 脳の休息
落書きは単調で簡単な活動であるため、脳が一時的に他の考え事から解放される休息の時間を提供することがあります。この休息によって、脳がリフレッシュし、次に取り組むべき課題に対してより良い状態で臨むことができます。
以上のように、落書きは脳に対して多くの効果をもたらし、思考の整理やストレスの軽減、創造性の促進など、精神的および感情的な健康に貢献することがあります。
ドレクセル大学、ニュージャージー州立大学 論文

ドレクセル大学(Drexel University)
ニュージャージー州立大学(The College of New Jersey)
こちらは、ドレクセル大学、ニュージャージー州立大学 論文を日本語に訳したものです。
The Arts in Psychotherapy
色塗り、落書き、自由描画という3つの異なる描画タスク中の脳の活性化を、機能的近赤外線分光法(fNIRS)を用いて調査しました。参加者(男性11人、女性15人、アーティスト8人、非アーティスト16人)は、各タスクを等間隔で休憩を挟みながら行う実験プロトコルに従いました。加えて、創造性の自己認識、過去の描画経験、研究参加後の感想を調べる前後アンケートも行いました。
全体的に、3つの視覚芸術タスクは、休憩状態と比べて内側前頭前野の有意な活性化を確認しました。落書きの条件では、色塗りや自由描画と比較して内側前頭前野が最大限に活性化しましたが、それら3つのタスク間に違いはなく。色塗りと落書きについては、アーティストと非アーティストの間で顕著な違いが見られました。いずれの視覚的自己表現タスクも内側前頭前野を活性化させ、アート制作を通じた報酬認識の臨床的応用の可能性を示唆しています。
参加者はアンケートにて、問題解決能力や良いアイデアを思いつく力について自己認識が向上したと感じたと答えています。また、描画タスクはリラックスできると感じたものの、1タスクあたりの時間をもっと長くしたいとも思ったようです。参加者の背景と報酬活性化の関係については、さまざまなアートメディアやより長い時間を用いた追加の研究が必要です。
まとめ
人それぞれ集中できる環境や勉強方法が異なります。
自分に合った勉強方法を見つけるのが効率よく学習する近道になりそうです。