丸亀製麺は、日本全国に展開する讃岐うどんの専門店として知られています。その中で特に注目される存在が“麺職人”です。麺職人は、店舗で提供されるうどんのクオリティを支える要として、麺打ちから茹で上げ、さらには接客に至るまで、幅広い業務を担っています。本記事では、丸亀製麺の麺職人について詳しく掘り下げ、その役割や技術、育成プロセスに迫ります。
麺職人制度とは

技術力向上と教育システムの一環として2016年より取り入れているのが麺職人制度。
丸亀製麺は各店舗には通常の白ではなく、紺色が入った制服を着た“麺職人”がいます。
技術力や経験によって4つのレベルに分けており、全国に1,702人。
その中で「二つ星」を持つ職人は9人。麺職人は半永久的な制度ではないため、称号取得後も技術や知識のブラッシュアップは必須。麺職人をめざすスタッフはもちろん、麺職人たちも日々研鑽を積んでいます。
※2024年8月末現在。

麺匠(めんしょう)
全国1,702人いる麺職人の中で、たった一人だけ“麺匠(めんしょう)”という称号を名乗ることが許されている麺職人がいます。全国の店でそれぞれ自家製麺しているにも関わらず、なぜどの店でもレベルの高いうどんが味わえるのか。丸亀製麺のおいしさの軸を決め、“打ち立て・生のうどん”の質を維持させているのは、この麺匠に他なりません。
全国でただ一人の麺匠 藤本 智美:Satomi Fujimoto

「こころ」まで伝えるのが、私の役割。
麺匠は、ひとことで言うと「丸亀製麺のうどん作りの総責任者」でしょうか。新人や若手に日々接する中で、品質管理や工法といっしょに伝えているのは、うどん作りの心構え。「技術」と「知識」と「こころ」。どれが欠けても、おいしいうどんは出来ませんからね。 ですから、丸亀製麺のうどんが今の形になるまでは多くの試行錯誤がありましたけど、これだけは大切にしようと考えていたのは、作り手の「おいしいうどんを作りたい!」という想い。そこは絶対にぶらしたくない。若い人たちにもそのことをきちんと理解してもらえるように話しています。
おいしいうどんは五感でつくる。
水の温度ひとつとっても日によって違うでしょ?だから、小麦粉のしっとり感を手で触ったり、うどんの透明感を目で見たり、茹で上がりの匂いを嗅いだりと、五感を使ってうどんの出来を日々調整するんです。 作り方にはもちろんマニュアルはあります。でも、丸亀製麺はお店で生地をひとつひとつ手作りしますから、最後はうどんを作る人の感覚が勝負なんです。 「おいしい」を決めるのはお客様です。お客様の「おいしい」の基準は進化しますから、私たちの「おいしい」も日々進化させていかなくちゃいけない。それには、自分たちの五感を研ぎ澄ませ、おいしさを突き詰めていくことだと思います。
私にとってうどんは、自分を成長させてくれたもの。
大切なのは、経験の長さよりは「深さ」でしょうか。うどん作りがうまくなりたければ、うどんに対してもっと深く向き合ってほしいと言っています。 私にとってうどんは、自分を成長させてくれたものです。うどんの知識や経験はもちろん必要ですから、勉強によって向上させてきた部分はあります。ただ一方で、「うどんを教えること」を通じて、職人たちやお客様の想いも学ばせてもらいました。 この経験や知識、想いを多くの後輩に伝え、丸亀製麺のうどんのおいしさを未来に残していきたいなと思っています。
丸亀製麺の麺職人試験

丸亀製麺の麺職人試験は、うどんの製麺に関する知識や技術を問う筆記試験と実技試験で構成されています。合格率は約3割で、難関試験として知られています。
【試験内容】
うどんの製麺に関する知識を問う100問からなる筆記試験
丸亀製麺のうどん生地を触感だけで当てる実技試験
「かけうどん」や「釜揚げうどん」などの麺作りを評価する実技試験
合格するには各試験で85%以上の正答率が必要となる。2024/03/21
【合格基準】
各試験で85%以上の正答率が必要
【試験の目的】
うどんのおいしさを追求するために、麺づくりの工程ひとつひとつの意味や目的を理解しているかを確認する
うどんが完成するまでの全工程において技術と知識を有しているかを確認する
【試験に合格すると】
目印となる制服を着用して厨房に立つことができる
「麺職人」の称号を得ることができる
まとめ
おいしいうどんは、国産小麦と塩と水だけ。
そう信じて、麺職人たちは日々技と感性を磨きつづけます。
今日もすべての店で、麺一本一本に命を吹き込んでいきます。
その手から生まれる、磨きをかけた「打ち立て・生」のおいしさを、ぜひお確かめください。
丸亀製麺の麺職人について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
チェーン店と聞くと専門店より劣るのではないかと疑問を持たれる方もいるかもしれません。
ですが、これらの“こだわり”からおいしさと人気が尽きないのは納得なのではないのでしょうか

